【難聴児ママが解説】難聴の3つの種類と聞こえ方の違い|我が子に合った支援を見つけるために

お子さんが「難聴」と診断されて、
「難聴って何?耳がどうなっているの?」
と思った方も多いのではないでしょうか。
「難聴」と聞くと、“聞こえにくい”というイメージが浮かびますが、実は難聴にも原因や聞こえ方のタイプによっていくつかの種類があります。
うちの子も最初に診断を受けたとき、「感音性難聴です」と先生に言われても、正直ピンときませんでした。

感音性ってなに?
頭の中は疑問だらけ。でも、次第に難聴について学び『難聴の種類』を知ることで、補聴器の調整や関わり方のヒントが見えてきたんです。
今回は、そんな「難聴の種類」について、難聴の知識がない方にも分かるように、やさしく、丁寧に解説していきます。
- 難聴には伝音性・感音性・混合性の3タイプがある
- タイプによって聞こえ方やサポート方法が全く違う
- 伝音性は治療で回復する可能性があるが、感音性は聴力の回復は難しい
- どちらのタイプも、環境づくりと周囲の理解が何より大切
難聴の種類は大きく分けて3タイプ!まずは全体像を理解しよう
難聴の種類は、耳のどの部分に原因があるかで大きく3つに分類されます。
- 伝音性難聴:音を伝える部分(外耳・中耳)に問題がある
- 感音性難聴:音を感じ取る部分(内耳・聴神経)に問題がある
- 混合性難聴:伝音性と感音性の両方の特徴を持つ
「伝音?」「感音?」
初めて聞く言葉だと、少し難しく感じますよね。でも大丈夫。このあと順番に、わかりやすく解説していきます!
難聴の程度分類も知っておこう!

難聴の「種類(タイプ)」に加えて、「程度」も支援を考える上で重要です。日本聴覚医学会では、難聴の程度を聴力レベル(dB)で以下のように分類しています。
- 軽度難聴:25~40dB未満
- 中等度難聴:41~70dB未満
- 高度難聴:71~90dB未満
- 重度難聴:91dB以上
たとえば、同じ「感音性難聴」でも、軽度なのか高度なのかで必要な支援が大きく変わってきます。
だからこそ、「種類」と「程度」の両方を理解することが、我が子に合った支援を見つける第一歩になるんです。
「40㏈とはどのくらいの大きさの音?」といった聴力レベル(dB)の基本については、こちらの記事で解説しています。

なぜ難聴のタイプを知ることが大切なのか
わたしが実際に感じたのは、タイプによって補聴器の効果や、必要なサポートが全く違うということ。
たとえば、伝音性難聴のお子さんは治療で聴力が回復することもあるけれど、感音性難聴の場合は補聴器をつけても「音は聞こえるけど、言葉としてはっきり理解するのが難しい」という状態が続くことが多いんです。
つまり、タイプを知らないと、適切なサポートができない可能性があるということ。
実は、研究によると、早期に療育を開始することで、コミュニケーション能力が良好になる確率が約3倍になることが報告されています( 笠井紀夫,「2-2 1.早期の療育開始はどのような意義を持つか」『聴覚障害児の日本語言語発達のために~ALADINのすすめ~』)。
だからこそ、まずは我が子の難聴がどのタイプなのかを理解することが、子育ての第一歩になります。
①伝音性難聴
伝音性難聴とは、耳の外側(外耳)や中の部分(中耳)で音がうまく伝わらないタイプの難聴です。
参照:日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会ホームページhttps://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/
伝音性難聴の主な原因
- 中耳炎(急性・滲出性)
- 耳垢の詰まり
- 鼓膜の損傷
- 耳小骨の異常
伝音性難聴の聞こえ方の特徴
このタイプの最大の特徴は、音の大きさが小さく聞こえること。
イメージとしては、テレビの音量を下げたような状態です。全体的に音が小さく感じられますが、音そのものは比較的クリアに聞こえています。
伝音性難聴の治療とサポート
伝音性難聴の最大の特徴は、治療で聴力が回復するケースがあることです。
- 中耳炎の治療(抗生物質など)
- 耳垢の除去
- 鼓膜形成術などの手術
- 補聴器の使用
医師の治療とあわせて、補聴器の調整や聞こえやすい環境づくりを行うことで、言葉の獲得やコミュニケーションの発達につながりやすくなります。
難聴児が特に気をつけたい中耳炎については、こちらの記事で解説しています。

②感音性難聴とは?音を「感じ取る」部分に問題があるタイプ
感音性難聴は、内耳(特に蝸牛)や聴神経など、音を「感じ取る」部分に原因があるタイプの難聴です。
参照:日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会ホームページhttps://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/
トリケラ家の長女とうこ・次女そらは、ともにこのタイプです。
感音性難聴の主な原因
- 先天性の内耳奇形
- 遺伝性難聴
- 出生時の酸素不足
- 髄膜炎などの感染症
- 薬剤性難聴
- 加齢(老人性難聴)
感音性難聴の聞こえ方の特徴
音そのものは耳に届いているのに、言葉として正確に聞き取るのが難しいのが最大の特徴です。
- 小さな声や早口の言葉は聞き取りにくい
- 周りがざわざわしている環境では、音を聞き分けるのにとてもエネルギーを使う
- 「さかな」と「たかな」など似た音の区別が難しい
- 補聴器で音を大きくしても、言葉の明瞭さは改善しにくい
我が家の娘たちの場合(実体験)
我が家の娘たちは両耳とも高度難聴で、補聴器を常用しています。補聴器をつけていても、たとえば次のような困りごとがあります。
- 静かな部屋で1対1なら会話できるけど、騒がしい場所では聞き取れない
- 「あめ(飴)」と「あめ(雨)」を聞き間違える
- 後ろから呼びかけても気づかないことが多い
こうした経験から、「聞こえる=理解できる」ではないということを日々実感しています。
感音性難聴の治療とサポート
感音性難聴の場合、多くは聴力自体の回復は見込めません。そのため、補聴器や人工内耳を使っても、聴力や言葉の理解の改善には個人差があります。
- 補聴器・人工内耳の装用
- 聞こえやすい環境づくり(静かな場所での会話、照明の工夫)
- 視覚的な情報の活用(ジェスチャー、口形、文字)
- 言語聴覚療法(ST)
- 手話や筆談などの代替コミュニケーション手段
補聴器などで聴力を補い、聞こえやすい環境づくりや周囲のサポートがとても大切です。
③混合性難聴とは?2つのタイプが組み合わさったもの
混合性難聴は、伝音性難聴と感音性難聴の両方の要素をあわせ持つタイプです。
音の伝わり方(外耳・中耳)と、音の感じ取り方(内耳・聴神経)の両方に難しさがあるため、支援も複雑になります。
混合性難聴の治療とサポート
医師や言語聴覚士と相談しながら、補聴器の調整や聞こえやすい環境づくりを丁寧に進めていくことが大切です。
原因や程度によっては、補聴器や人工内耳を併用するケースもあります。
子どもの聞こえ方に合わせた支援を重ねることで、ことばの発達やコミュニケーションの力を育てていくことができます。
聞こえ方の違いを図で理解しよう|音の波形で見る難聴のタイプ
難聴の種類について理解できたところで、次は聞こえ方(耳に届く音の波形)の違いを図で見てみましょう。
次の図は、健聴者と難聴者の音の波形の伝わり方の違いを表しています。

こうして比べてみると、「同じ難聴でも聞こえ方がこんなに違うんだ」と実感できますね。
タイプ別の聞こえ方とサポートのポイント
タイプが分かると、補聴器の調整方法や支援の仕方も変わってきます。
伝音性難聴の場合
- 原因となる中耳炎などの治療
- 補聴器で音を大きくしてあげる
- 音量の調整が効果的
感音性難聴の場合
- 音量よりも「ことばの明瞭さ」を重視した調整
- 静かな環境での会話がポイント
- 視覚情報の活用(口の動き、ジェスチャー)
- 雑音下での聞き取りの難しさを理解する
どちらのタイプにも共通して大切なこと
医師との連携はもちろん、家庭での聞こえの環境を整えることが何より重要です。
- テレビの音量を適切に保つ
- 話すときは子どもの正面から
- 照明を明るくして口元が見えるようにする
- 静かな場所で会話する時間を作る
- 重要な話は短く、はっきりと伝える
毎日の生活の中で、子どもが安心して「聞こえる」経験を積める環境づくりが何より大切です。
難聴児の子育てで大切にしたい3つのこと
①焦らず、子どものペースに合わせる
難聴のタイプがわかっても、すぐに全てが解決するわけではありません。子どものペースを大切にすることで、少しずつ成長が見えてきます。
②専門家と連携しながら進める
- 耳鼻科医
- 言語聴覚士(ST)
- 補聴器販売店
- 療育施設
- 特別支援学校・難聴学級
こうした専門家の力を借りながら、チームで子どもを支えることが大切です。
③ママ・パパ自身も学び続ける
難聴児の子育ては、正解がひとつではありません。だからこそ、同じような境遇のママ・パパとつながったり、情報を集めたりすることがとても心強くなります。
そのほか、家庭でできる声かけの工夫については、こちらの記事で解説しています。

まとめ|難聴のタイプを知ることが、我が子に合った支援への第一歩
「うちの子はどんな聞こえ方をしているんだろう?」
その答えを知ることが、難聴のある子どもの世界を理解する第一歩です。
- 難聴には伝音性・感音性・混合性の3タイプがある
- タイプによって聞こえ方やサポート方法が全く違う
- 伝音性は治療で回復する可能性があるが、感音性は聴力の回復は難しい
- どちらのタイプも、環境づくりと周囲の理解が何より大切
タイプを知ることで、無理のない関わり方やサポートの仕方が見えてきます。難聴のある子どもも、聞こえ方に合わせた支援があれば、自分らしくのびのびと成長していけます。
わたしも、こうしてブログで発信していますが、まだまだ難聴児の子育ての途中です。正直、うまくいかない日もあるし、「これで合っているのかな?」と不安になることもあります。
でも、少しずつ学びながら、娘たちと一緒に成長している実感があります。
もし、この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。これからも少しずつ、一緒に難聴のことを学んでいきましょう!

