学校生活

難聴児小学校選び方ガイド|通級?難聴学級?ろう学校?

こんばんは!トリケラさんです!

 生まれた赤ちゃんが難聴であると分かった頃、その子が小学校に通う姿なんて、全く想像できませんでした。

 特別支援学校? ろう学校? それとも地域の小学校?

 どんな環境で学ぶのが、その子にとっていちばん良いのか——。

 この記事では、それぞれの違いと、聴力による進路の違いについて分かりやすく解説します。

  • 難聴児が通う小学校には、主に「普通級+通級」「普通級+難聴学級」「ろう学校」の3つがある
  • 聴力の数値だけでなく、本人の性格・家庭の方針・学びやすさも大切なポイント
  • どの進路にもメリット・デメリットがあり、「その子に合った環境を見つけること」がいちばん大切

 小学校のことなんて、まだまだ先の話だと思っていたけれど、意外とあっという間に“その時”はやってきます。

 しっかり情報収集して、“その時”に備えましょう!

地域の小学校(普通級+通級指導教室)

 難聴児の多くが通うのが、この地域の小学校普通級+通級指導教室というパターンです。

 通級指導教室とは、普段は地域の小学校に通いながら、週に数時間だけ“聞こえ方に合わせた特別な授業”を受ける仕組みのこと。

 保護者が学校まで子どもを迎えに行き、通級指導教室を実施している学校まで送り、授業を受け、終わったらまた保護者が学校まで送る必要があります。

 通級指導教室はどこの地域にも存在するわけではありませんが、発音や聞き取りの練習、補聴器やロジャーの使い方などを個別に教えてもらえます。

  • 地域の友達と一緒に学べる
  • 日常生活の中で、聞く力やコミュニケーション力を伸ばせる
  • 普通級での学びをベースにしながら、必要なサポートを受けられる
  • 通級が週に1〜2時間程度と限られているため、支援の時間が短い
  • 先生やクラスメイトの理解がないと、環境調整が難しいことも
  • 学校によってはロジャーや座席配慮などの支援体制に差がある

 聞こえ方や学び方にもう少しきめ細かい支援が必要な場合は、②「難聴学級(特別支援学級)」を選ぶケースもあります。

地域の小学校(普通級+難聴学級)

 先ほどのパターンと少し似ているけれど、地域の小学校に通う場合は、この普通級+難聴学級のパターンもあります。

 難聴学級とは、聴覚に配慮した少人数の特別支援学級で、聞こえのサポートを受けながら、子どものペースに合わせて学べる環境です。

 通常の授業より静かな環境で、先生がロジャーや補聴器を活用しながら、一人ひとりの聞こえ方に合わせて授業を進めてくれます。

  • 言葉の練習や発音指導、補聴機器の管理なども行われる
  • 静かな環境で、聞き取りやすい状態で学べる
  • 先生が難聴に詳しく、個々の聞こえ方に合わせて指導してくれる
  • 個別や少人数で進むため、理解の定着がしやすい
  • 在籍人数が少なく、学級間で交流の機会が限られることがある
  • 地域によっては難聴学級が設置されていない場合もある
  • 「普通級の子と同じように学ばせたい」という気持ちとの間で悩むことも

 トリケラ家の長女・とうこは、このパターンで、地域の小学校の普通級+難聴学級に在籍しています。

 交流学級(普通級)で過ごす時間も多く、聞こえに配慮された環境の中で、友達との関わりも大切にしながら学んでいます。

ろう学校(聾学校)

 ろう学校は、聞こえに課題のある子どもが通う学校です。

 以前は「ろうの子または重度の子が行く場所」というイメージがありましたが、実際には、聴力の程度に関わらず、その子に合った学び方を大切にしています。

 聞こえに頼らず、手話や筆談などの視覚的な方法で学ぶのが大きな特徴です。

 授業中は先生も手話や口話を使い分けながら、一人ひとりのコミュニケーション方法に合わせて丁寧に教えてくれます。

  • 手話や視覚的支援が充実しており、安心して学べる
  • 聞こえに悩むことなく、自然体で過ごせる
  • 先生も手話ができるため、意思疎通がスムーズ
  • 同じ立場の友達と出会えることで、自己肯定感を育みやすい
  • 地域の友達との関わりが少なくなることもある
  • おおよそ都道府県に1箇所しか学校がないため、通学距離が長くなるケースがある(寄宿舎を利用する場合も)
  • 地域の小学校とのカリキュラムに違いがあることも

 実際には、中等度の難聴の子でもろう学校に通うことがあります。

 聞こえの数値よりも、「どんな環境なら安心して学べるか」「どんな伝え方が自分に合うか」を大切にして、家庭と学校が話し合いながら決めていくケースが多いんです。

 聞こえの程度だけで進路を決めるのではなく、その子が“自分らしく学べる環境”を見つけられるように——。

 ろう学校も、そんな選択肢のひとつとして考えてみてほしい場所です。

まとめ

 わたしも、娘の進路を考え始めたときは、「どんな学校があるのか」「どうやって決めるのか」全然分からず、不安でいっぱいでした。

 でも実際に見学に行って、先生の話を聞いたり、通っているお子さんの様子を見たりするうちに、“この子にはこの環境が合っているかも”と思える瞬間がありました。

 どんな選択をしても大丈夫。

 それぞれの学校には、それぞれの良さがあります。

 難聴のある子どもの学校選びに「これが正解!」という形はありません。

 子どもの特性や家庭の希望、通学のしやすさ、先生や支援体制など、たくさんの要素を少しずつ比べながら決めていくことが大切です。

 どんな選択をしても、いちばん大切なのは「その子が安心して学べる環境かどうか」。

 悩んで迷った時間も、きっとお子さんを理解するための大事なステップになります。

お子さんにとって安心できる学びの場が見つかりますように!

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