年中から動き出そう!就学相談|難聴児の入学準備は早めが安心

早くねえねのいる学校にいきたいなあ
そうだね!小学校楽しみだね!
就学相談って知っていますか?
自治体によって名称や仕組みは少し異なりますが、多くの自治体では、特別な支援や配慮が必要な子どもが小学校へ入学する前に、家庭・教育委員会・学校が情報を共有し、入学後の支援を一緒に考える場のことを「就学相談」と呼びます。
難聴・発達・身体・知的など、特別支援教育が必要になる可能性がある子どもが対象です。
そして、この就学相談。
実は、年長になってから動き出すのでは遅い場合があります。
とくに難聴児の場合は、教室の音環境や支援体制の確認、合理的配慮の検討など、話し合う内容が多く、調整に時間がかかりやすいからです。
ちなみにトリケラ家の次女そらは現在、保育園の年中さん。
そらの就学に向けて、わたしもこの冬に動き出します。
この記事では、就学相談の基本と、難聴児が“年中から”準備を始めるメリットについて解説します。
- 就学相談は、入学直前の手続きではなく「準備のための相談」
- 年中から情報共有を始めることで、選択肢と調整の余裕が広がる
- 早めに動くことで、子どもに合った学びの環境を落ち着いて考えられる
就学相談を年中から動き出すメリット
就学相談は「年長の秋」に行うイメージが強いですが、難聴児の場合は年中から動き出すことで得られるメリットがとても大きいです。
学校の音環境や支援体制の確認には時間が必要で、家庭の希望と教育委員会・学校側の調整にも一定の期間がかかるためです。
とくに、地域の小学校とろう学校のどちらを選ぶ場合でも、年中の段階から情報を集めておくことで、入学直前に急いで決める必要がなくなり、子どもに合った進路をじっくり検討できます。
ここでは、進路別に年中から動くメリットを整理して解説します。
地域の小学校への就学を検討している場合
地域の小学校(通常学級・通級・特別支援学級)への就学を考えている場合、年中から動き始めると大きなメリットがあります。
ここでは、特に重要なポイントを3つに分けて整理します。
① 学校の“音環境”を早めに確認できる
教室の反射音、廊下や体育館の騒音、クラス人数、先生の声の通りやすさなど、音環境は学校によって大きく異なります。
難聴児にとって学びやすい環境かどうかは、実際に見学しないとわからない部分が多い点が特徴です。
年中のうちに一度見ておくことで、
- 音の聞き取りやすさ
- 補聴器に入りやすい雑音の有無
- 落ち着いて過ごせる教室かどうか
などを前もって把握でき、年長でより具体的な相談につなげられます。
② 合理的配慮の検討に“十分な時間”をかけられる
席の位置、板書の見え方、発表の聞き取りサポート、補聴器の雑音対策など、話し合いたい内容は多岐にわたります。
年長になってから相談を始めると、学校側の準備期間が限られ、十分に検討できないこともあります。
年中から動くことで、
- 子どもが苦手な場面を丁寧に伝えられる
- 学校や教育委員会と調整がゆっくりできる
- 必要に応じて複数回相談が持てる
といったメリットが生まれ、入学までに安心できる環境を整えやすくなります。
合理的配慮の考え方や、学校で実際にどんな支援が受けられるのかは、こちらの記事で詳しくまとめています。入学前に知っておくと、相談がぐっとスムーズになります。
③ 通級(きこえの教室)を検討する時間がしっかり確保できる
通級指導教室を利用する場合、申請のタイミングや選定には時間がかかります。
そのため、年中から情報収集や相談を始めておくと、手続きや選定がスムーズに進み、希望する支援につながりやすくなります。
保育園や療育の様子をまとめておくことで、
- 子どもの得意・苦手
- 必要な支援
が正確に伝えやすくなり、学校側も体制を整えやすくなります。
ろう学校への入学を検討している場合
ろう学校への入学を考えている場合も、年中から動き始めることに大きな意味があります。
地域の小学校とは流れが少し異なる部分もあるため、ポイントを3つに分けて整理します。
① 入口は“教育委員会の就学相談”から始まる
ろう学校を第一希望にしている場合でも、最初の相談窓口は多くの自治体で教育委員会になります。
就学相談では、
- 難聴の程度
- 補聴器や人工内耳の使用状況
- 言語発達の様子
- 家庭の希望
などを踏まえながら、入学先の方向性を一緒に検討していきます。
年中から動くことで、地域の小学校との比較検討をじっくり行える余裕が生まれます。
② ろう学校での“個別相談・見学”を早めに進められる
ろう学校に進む場合、多くの自治体では
- 教育委員会での就学相談
- ろう学校との個別面談・見学
の二段階での相談が必要です。
年中の段階で動き始めることで、
- ろう学校の教育方針
- コミュニケーション方法(手話/音声)
- 学習スタイル
- 学校生活の様子
をゆっくり確認できます。
複数回見学できる自治体も多く、子ども自身がどの環境で安心できるかを丁寧に見極められるのも大きなメリットです。
③ 進路の比較検討に“時間の余裕”ができる
難聴児の場合、進路選択には次のような観点が関わります。
- 補聴器/人工内耳での聞こえの伸び
- 言語の発達状況
- コミュニケーションの得意・不得意
- 家庭の希望
- 学校までの距離や通学方法(スクールバス等)
これらをゆっくり整理するためには、数ヶ月では足りません。
年中から動くことで、焦らずに比較でき、家庭の納得感も大きくなります。
とくに、ろう学校と地域の小学校のどちらも選択肢に入る場合、時間をかけて検討することで「子どもにとって最適な環境」を見極めやすくなります。
ろう学校を含めて進路を考える場合、検討すべきポイントが多く、調整にも時間がかかります。
そのため、年中から動き出すことで、情報収集・見学・相談を丁寧に進められ、子どもに合った進路を納得して選ぶことができます。
就学に向けて年中で準備しておきたい実践リスト
年中の段階では、すべてを完璧に整える必要はありません。
むしろ、「少しずつ情報を集めて、必要なことを整理していく時期」と考えて大丈夫です。
ここでは、年中のうちに進めておくと年長での就学相談がスムーズになる具体的なステップをまとめました。
① 教育委員会に“相談の流れ”を軽く確認しておく
「就学相談はいつ頃受付が始まりますか?」
「年中でも相談できますか?」
といった簡単な問い合わせだけで十分です。
自治体によって
- 年中から受け付ける
- 年長になってから予約開始
- 個別相談や見学が事前に必要
と違いがあるため、早めに仕組みを知っておくことで迷いが減ります。
② 保育園や療育から“子どもの様子”を整理しておく
就学相談では、次のような情報が役立ちます。
- 得意なこと、伸びていること
- 苦手な場面(特に聞こえに関すること)
- 集団で困りやすい場面
- 補聴器や人工内耳での反応
- 医療機関での聴力データ
年中から少しずつメモしておくと、年長での相談がとてもスムーズになります。
③ 学校見学をして“音環境”をチェックする
可能であれば、地域の小学校を一度見学して、次のポイントを確認します。
- 教室の反射音、騒音の程度
- クラス人数
- 席の位置で聞こえ方が変わりそうか
- 休み時間の音の大きさ
年中での見学は「下見」のようなイメージでOK。
気になったことを控えておくと、次年度の相談で具体的に伝えられます。
④ 必要になりそうな“合理的配慮案”をゆるくメモする
たとえば次のような項目は、難聴児にとって配慮になりやすいものです。
- 席の位置(前方・中央寄りなど)
- 先生が話す方向
- 発表や話し合いの聞き取りサポート
- 板書の見やすさ
- 休み時間の安全
決める必要はなく、「こういう場面が苦手かも」くらいの整理で十分です。
⑤ ろう学校を検討する場合は、早めに“情報収集”を始める
ろう学校の教育方針、コミュニケーション方法(音声/手話)、学習スタイルなどは学校ごとに異なります。
気になる場合は、年中のうちに
- ホームページで方針を確認
- 行事や説明会の情報をチェック
- 見学予約ができるか確認
しておくと安心です。
年中でやることは“準備の土台づくり”
年中は、
- 情報を集める
- 子どもの様子を整理する
- 学校を一度見てみる
といった“土台づくり”の時期です。
ここで少しだけ動いておくだけで、年長の就学相談が驚くほど楽になります。
まとめ
就学相談は、子どもが安心して小学校生活をスタートさせるための大切なプロセスです。
とくに難聴児の場合、音環境の確認や合理的配慮の検討、通級や支援体制の調整など、話し合いたいポイントが多くあります。
年中から少しずつ動き始めることで、
- 学校の環境をゆっくり見極められる
- 教育委員会や学校との調整に余裕ができる
- 進路の選択肢(地域の小学校/ろう学校)を落ち着いて検討できる
など、年長になってから慌てることが大きく減ります。
入学準備は、早く動くほど「子どもに合った環境」に近づけるチャンスが増えます。
今日からできる小さな一歩を積み重ねていくことで、子どもが安心して自分らしく学べる場が見えてきます。
難聴児の小学校選びや地域の小学校とろう学校、それぞれの特徴やメリット・デメリットについては、こちらの記事で比較できるよう整理しています。
進路選びの参考にどうぞ!
早めの相談が“進路の後悔ゼロ”につながるよ!
わたしはこの冬に、まずは小学校に連絡をして、具体的に何をしたらいいかを尋ねる予定だよ!






