難聴児の耳掃除はどうすればいい?|やりすぎNG・家庭でできるケアと耳鼻科の上手な頼り方

ママ、耳そうじしてー!
いいよー!おいでー!
難聴児の耳掃除って、どこまで家でしていいのか不安になることがありますよね。
私も長女とうこが補聴器を着け始めてからすぐは、どうしたらいいのか全く分かりませんでした。
補聴器をつけていると耳垢が溜まりやすかったり、湿りやすかったりして、つい気になってしまうもの。
でも実は、耳掃除は「たくさん取るほど良い」というものではありません。
この記事では、耳垢の役割、難聴児が耳垢トラブルを起こしやすい理由、家庭でできる正しいケア、そして耳鼻科での処置まで、医学的に正しい内容に基づいてわかりやすく解説します。
- 難聴児の耳掃除はやりすぎず、入口だけのケアで十分
- 耳垢が溜まりやすいのは補聴器の構造によるもの
- 判断に迷うときは、2〜3ヶ月に一度の耳鼻科ケアが安心
Contents
耳垢は“勝手に外へ出る”もの
耳垢は、外耳道を守るために必要な“バリア”の役割を持っています。
外から入るホコリや菌をキャッチし、耳の中を清潔に保つ働きをしています。
耳には「自浄作用」という仕組みがあり、外耳道の皮膚は鼓膜の近くから入り口に向かってゆっくり移動し、耳垢を自然に押し出します。
日本耳鼻咽喉科学会でも、基本的に頻繁な耳掃除は必要ないとされています。
子どもの耳は大人よりも皮膚が薄く、外耳道も細いため、奥まで掃除すると傷がつきやすく、耳垢を逆に押し込んでしまうこともあります。
耳掃除は“必要最小限”が基本です。
難聴児・補聴器ユーザーに耳垢が溜まりやすいのはなぜ?
補聴器を使う子どもの耳は、耳垢が溜まりやすく・湿りやすく・詰まりやすい特徴があります。
これは難聴そのものではなく、「補聴器という道具の構造」によるものです。
補聴器により耳の入り口が密閉されて湿気がこもりやすく、耳垢が柔らかくベタつきやすくなるのです。
また、補聴器を出し入れする際にイヤーモールドの先端が耳垢を”押し戻して”しまうこともあり、子どもの細い外耳道では少しの耳垢でも詰まりやすくなります。
汗や蒸れなどの影響でも耳道の状態が変わり、耳垢の量が増えたり柔らかくなることがあります。
耳垢が溜まると起こるトラブル
耳垢が自然に出ていかず耳道に溜まると、補聴器の聞こえに直接影響が出ることがあります。
補聴器の音が跳ね返ってハウリングが増えたり、音がこもって聞き返しが増えることがあります。
湿った耳垢が長期間残ると外耳炎につながり、かゆみ・痛み・赤みなどのトラブルも起こります。
音の通りが不安定になると、子どもでは「言葉の理解」や「発語の安定」にも影響が出る可能性があります。
子どもの「語尾だけ聞こえない」「子音が抜けて聞き返す」などの変化は、耳垢だけでなく、高音域の聞こえ方とも関係があります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
語尾の「す」が聞こえにくいとどうなる?|難聴児の発語に起きやすい変化を実例で解説
家庭でできる安全なケア
家庭でできるのは、外耳道の“入り口だけ”のケアと張り付いた耳垢がないかどうかのチェックです。
お風呂上がりにタオルで拭ける範囲や、ベビー綿棒で軽く触れられる範囲のみをやさしく拭きます。
奥の方で湿った耳垢は無理に取る必要はありません。
奥まで綿棒や器具を入れるのは危険なので避けます。
補聴器をつける前は耳が乾いているか確認し、蒸れが残らないようにします。
わたし自身は、耳鼻科へ行く前に入り口だけ確認できるライト付きピンセットを使用することがありますが、耳の壁に張り付いた耳垢をピンセットで剥がしたり、状態を確認する程度にとどめています。
耳鼻科での耳掃除(プロのケア)
耳鼻科では、吸引器、専用ピンセット、顕微鏡などの器具を用いて、安全に耳垢を除去してくれます。
子どもでも痛みが少ない方法を選んで進めてもらえることが多いです。
補聴器をつける子どもの場合、毎月でなくても、2〜3ヶ月に一度耳鼻科でチェックしてもらうだけで十分安心です。
ハウリング予防や外耳炎の早期発見につながります。
「耳垢かどうか分からない」「取ったほうがいい?」と迷ったら、家庭で無理に判断せず、耳鼻科で見てもらうことが安全です。
まとめ
難聴児の耳掃除は、やりすぎず、必要最小限で十分です。
補聴器を使う子どもは構造上、耳垢が溜まりやすく聞こえに影響が出ることもありますが、家庭でできるのは入り口のケアだけで大丈夫です。
痛みや赤みがあるとき、耳垢が固まっているとき、聞き返しが増えたと感じるときは、家庭で無理に取らず耳鼻科へお願いするようにしています。
耳鼻科でのケアは2〜3ヶ月に一度でも十分。
補聴器の聞こえ方や子どもの反応に少しでも変化があるときは、早めに見てもらうとトラブル予防になります。
無理に取らない。必要な時だけ、プロに頼る。
それが難聴児の耳を安全に守り、補聴器の聞こえを安定させるいちばんの近道です。
耳垢が溜まりすぎると中耳炎に気が付きにくくなるから、耳の中チェックは週に1回でもやっていこうね!
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