【完全保存版】子どもの難聴の原因まとめ|先天性・後天性・遺伝・注意したい病気をわかりやすく解説
子どもが難聴とわかったとき、多くの保護者が最初に検索するのが「難聴になった原因」です。
「私の妊娠中の過ごし方が悪かったのかもしれない」
「あの時、もっと早く気づいていれば」
「ムンプス?CMV?先生から言われたけど、何が違うの?」
自分を責めてしまったり、聞き慣れない病名に混乱したり、不安が次々と湧いてくるのは当然のことです。私も2人の難聴児を育てるママとして、長女の難聴を告知された直後は原因を調べ続け、涙が止まりませんでした。
でも今、8年以上難聴のことを学んで分かったのは、難聴の原因はひとつではなく、原因によって経過も対応も違うということ。そして、分からないことがあっても、それは決して珍しいことではないということです。
この記事は、病名を並べるだけの医学辞典ではありません。「原因が違うと何が違うのか」「どこまで分かっていて、どこは分からないのか」を整理し、あなたの不安を少しでも軽くするための”地図”です。読み終える頃には、漠然とした恐怖が「今、目の前の子どものためにできること」という希望に変わっているはずです。
子どもの難聴の原因は大きく分けて3つ
子どもの難聴とひとことで言っても、その原因はひとつではありません。大きく分けると、次の3つに分けられます。
- 生まれつき関係するもの(先天性)
- 生まれたあとに起こるもの(後天性)
- 難聴と間違えやすい一時的な聞こえにくさ
ここで最初にお伝えしたいのは、原因が分からないケースも少なくないということです。検査をしても特定できなかったり、複数の要因が重なっていたり、成長とともに変化することもあります。
分からない=失敗ではありません。大切なのは「今の聞こえを知り、今できる支援を重ねていくこと」です。
①生まれつき関係する難聴の原因
出生前後から影響している可能性がある先天性の難聴には、いくつかのタイプがあります。このタイプの難聴は、原因がはっきりしないことも多く、「治る・治らない」で単純に分けられないのが特徴です。
感音性難聴

感音性難聴は、内耳や聴神経の働きに関係する難聴です。
生まれつき聞こえに影響がある場合もあれば、成長の過程で検査を通して分かる場合もあります。
子どもの難聴の中では比較的多いタイプで、聞こえ方の程度や影響の出方は一人ひとり異なります。
遺伝が関係する感音性難聴
感音性難聴の中には、遺伝子が関係しているタイプの難聴があります。この場合、両親に難聴の自覚がなくても起こることがあり、我が家はまさにこのパターンです。
遺伝が関係していると聞くと不安になる方も多いですが、同じ診断名であっても、聞こえ方やその後の経過は一人ひとり違います。
わが家の場合も、詳しい遺伝子検査の結果、遺伝子の組み合わせが原因の感音性難聴だと説明を受けました。
原因不明の感音性難聴
検査を行っても、はっきりとした原因が特定できない感音性難聴もあります。これは決して珍しいことではなく、医学的にも一定数あるとされています。
原因が分からないからといって、支援や配慮ができないわけではありません。今の聞こえの状態に合わせて、必要なサポートを考えていくことが大切です。
先天性サイトメガロウイルス(CMV)

先天性サイトメガロウイルス感染症は、生まれたときには目立った症状がなく、あとから難聴が分かることがある原因のひとつです。成長の中で聞こえに変化が見られる場合や、進行・変動がみられるケースもあります。
先天性サイトメガロウイルスとはどんなもの?
お母さんが妊娠中にサイトメガロウイルスに初めて感染したり、再活性化したりすることが原因とされています。
何に注意すればいい?
無症状で生まれても、後から難聴が分かることがあります。また、進行したり変動したりするケースもあるため、定期的な聴力チェックが重要です。
ママパパが不安になりやすいポイント
「妊娠中、もっと気をつけていれば…」と後悔してしまうこと。でも、予測や完全な予防が難しいウイルスです。妊娠中の行動を責める必要はありません。
サイトメガロウイルスの基本については、こちらの記事で詳しく解説しています。

感音性難聴とサイトメガロウイルスの共通点と違い
どちらも「出生時や乳幼児期から聞こえに影響が出ることがある」という共通点がありますが、違いもあります。
| 感音性難聴 | 先天性CMV | |
|---|---|---|
| 原因 | 内耳・聴神経の働きに関係 | ウイルス感染 |
| 進行性 | 基本的に安定していることが多い | 進行・変動する可能性あり |
| 特定 | 原因が分からないことも多い | 血液検査などで確認できる場合がある |
②生まれたあとに起こる難聴の原因
生まれたあとに、感染症などをきっかけに起こる後天性の難聴もあります。ここでは、小児の後天性難聴として比較的知られている代表例を紹介します。
ムンプス難聴

ムンプス難聴は、おたふく風邪(ムンプス)をきっかけに起こることがある難聴です。それまで特に聞こえに問題がなかった子どもに、急に聞こえの変化が現れる場合があります。
ムンプス難聴とはどんなもの?
ムンプスウイルスに感染することで、内耳にダメージが起きます。
何に注意すればいい?
健康だった子が突然なるケースがあり、片側だけのことも多いです。残念ながら治療で回復することは難しいため、補聴器などでのサポートが必要になります。
ママパパが不安になりやすいポイント
「ワクチンを打っていれば防げたのでは?」という後悔。ただ、ムンプス難聴は後天性難聴の中ではよく知られており、予防という考え方がある数少ない原因のひとつでもあります。正確に知ることで、次のお子さんや周囲の子どもたちを守る行動につながります。
ムンプス難聴の基本については、こちらの記事で詳しく解説しています。

③難聴と間違えやすい一時的な聞こえにくさ
難聴ではなくても、一時的に聞こえが悪くなることがあります。見た目や行動だけでは判断が難しいため、正しく見分けることが大切です。
中耳炎による聞こえにくさ

中耳炎になると、音がうまく伝わらず、一時的に聞こえにくくなることがあります。聞き返しが増えたり、反応が鈍くなったりすることもあります。
中耳炎とはどんなもの?
耳の中(中耳)に炎症が起きて、一時的に聞こえにくくなる病気です。風邪やアレルギーなどで、鼻や喉の細菌・ウイルスが耳に入ることで起こります。
何に注意すればいい?
多くの場合、治療によって改善が期待でき、感音性難聴とは経過が異なります。ただし、繰り返すと聞こえへの影響が長引くこともあります。
親が不安になりやすいポイント
「最近聞き返しが増えた」「補聴器をしていても反応が悪い」「発音が変わった気がする」という変化に気づいたとき、中耳炎なのか、難聴そのものが変化しているのか判断がつかないことがあります。
大切な視点
難聴と判断するのは医師ですが、「聞こえの様子が何かおかしい?」と気づくのは家庭の中です。いつもと違う様子があれば、遠慮せず耳鼻科や療育の先生に相談しましょう。
難聴児と中耳炎の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。

聞こえ方が変化することがあるケース
難聴の中には、聞こえ方が一定ではないケースもあります。これは特定の原因名というより、聞こえの特徴として知っておきたいポイントです。
進行性のある難聴
成長とともに、少しずつ聞こえが変化していく難聴があります。定期的な検査で変化を確認していくことが大切です。
変動する聞こえ
体調や時期によって、聞こえの反応が違って見えることもあります。「昨日と今日で様子が違う」ということも、珍しいことではありません。
原因が分からない・混ざるケース
医療が進歩した今でも、次のようなケースは珍しくありません。
- 検査をしても特定できない
- 複数の要因が重なっている
- 成長とともに聞こえが変化する
「分からない」と言われると、不安が増すかもしれません。でも、分からない=失敗ではありません。
まとめ|原因を知ることと、今できる支援は別
難聴の原因を知ることは大切ですが、原因が分からなくてもできることはたくさんあります。今の聞こえの状態に合わせて、環境や関わり方を整えていくことが、子どもの生活を支える第一歩になります。
子どもの難聴の原因はひとつではありません。
- 先天性のものもあれば、後天性のものもある
- 原因によって、対応や経過は異なる
- 分からないことがあっても、それは珍しくない
だからこそ、今の聞こえを知り、今できる支援を重ねていくことが大切です。
原因を知ることは、過去を責めるためではなく、お子さんの未来を一緒に選ぶための地図です。あなたは十分頑張っています。一つずつ、焦らず進んでいきましょう。
聴力検査についてのまとめ記事はこちらです。

