難聴

先天性サイトメガロウイルス(CMV)とは?|赤ちゃんの難聴との関係をわかりやすく解説

サイトメガロウイルスって聞いたことがある?

 赤ちゃんの難聴の原因のひとつに、先天性サイトメガロウイルス感染(cCMV)があります。

 CMVは多くの人が乳幼児期に一度は感染するありふれたウイルスで、ふだんは問題になることはほとんどありません。

 しかし、妊娠中に初感染や再活性化が起こると、まれに胎児へ影響し、難聴の原因となることがあります。

 この記事では、CMVと難聴の関係をわかりやすく解説します。

 難聴の原因について正しい知識を持つことで、早期の気づきや支援につながりやすくなるはずです。

  • 先天性CMVは珍しくない先天感染症で、無症状で生まれる子も多い
  • 難聴は遅れて発症することがあり、定期的な聴力検査が大切
  • 早期支援によって、聴こえや発達をしっかりサポートできる

サイトメガロウイルス(CMV)とは?

 サイトメガロウイルス(CMV)は、ヘルペスウイルスの仲間に属するウイルスで、日本を含む多くの国で乳幼児期に一度は感染するほど身近な存在です。

 感染してもほとんどの人は無症状で過ごし、健康な人にとって大きな問題となることはあまりありません。

 ただし、妊娠中に初感染や再活性化が起こると、胎児に感染が起こることがあり、これを先天性サイトメガロウイルス感染(cCMV)と呼びます。

 出生児の約0.3〜0.5%にみられるとされ、珍しい先天感染症ではありません。

先天性CMV感染とは?妊娠中の感染で起こること

 先天性CMV感染は、妊娠中に母親がCMVに感染し、そのウイルスが胎児へ移行することで起こります。

 特に乳幼児の唾液や尿にはウイルスが多く含まれるため、妊婦が小さな子どもと接する機会が多いと感染リスクが高まります。

 胎児への感染は以下のケースで起こります。

  • 妊娠中の初感染
  • 過去に感染したウイルスの再活性化

 出生時に症状が出る子(有症候性)もいれば、全く症状がない子(無症候性)もいます。

 無症候性で生まれた場合も、後に難聴が現れることがあるため、経過観察が大切です。

CMVと難聴の関係|なぜ聴覚に影響が出る?

 先天性CMV感染は、世界的に「新生児期〜乳幼児期の難聴原因として最もよく知られている要因のひとつ」です。

 ウイルスは胎児の以下の部位に影響を与えることがあります。

  • 内耳(蝸牛)
  • 聴神経

 これにより、感音性難聴が起こると考えられています。

 また、サイトメガロウイルスによる難聴は、次の特徴があることが知られています。

  • 片側性・両側性どちらもある
  • 遅発性(後から発症)
  • 進行性(徐々に悪化)
  • 変動性(聞こえに波がある)

 そのため、新生児聴覚スクリーニングで「パス」しても安心はできず、定期的な聴力検査が推奨されます。

発見のきっかけ|新生児スクリーニングだけではわからない理由

 新生児聴覚スクリーニングは、生後すぐの聴こえを確認する検査です。

 しかし、CMVによる難聴は後から発症することがあるため、出生時に正常でも見逃されることがあります。

 気づかれるきっかけとしては、

  • ことばの発達の遅れ
  • 名前を呼んでも反応しにくい
  • 発語の誤り
  • 片側性で気づきにくい

などがあります。

 新生児聴覚スクリーニング検査については、こちらの記事でも解説しています。

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診断方法|どのようにCMVが判明するのか

 先天性CMV感染の確定診断には、赤ちゃんの唾液・尿・血液によるPCR検査が用いられます。

 重要なのは、生後21日以内の検体で陽性なら“先天性CMV”と診断できるという点です。

 21日を過ぎると、出生後の感染(後天性)との区別が難しくなります。

 無症候性の赤ちゃんでも診断がつくのは、症状ではなくウイルスそのものを検出するためです。

治療について

 治療が検討されるのは、有症候性などCMVの影響が強いケースに限られます。

 使用される薬は次のとおりです。

  • ガンシクロビル
  • バルガンシクロビル

 これらはウイルスの増加を抑え、聴力や中枢神経症状の悪化を抑える効果が期待されています。

 治療期間は6週間〜6ヶ月で、主治医の判断で決まります。

予防はできるの?妊娠中にできる対策

 CMVを完全に防ぐ方法やワクチンはありません

 そのため、日常の衛生対策が中心となります。

  • こまめな手洗い
  • 子どもの唾液を口に入れない(スプーンやコップの共有など)
  • おもちゃや食器を共有しない
  • おむつ替え後の徹底した手洗い

 CMVは家庭内でも触れる機会が多いため、完全に防ぐことは難しい感染症です。

 先天性CMV感染は珍しい病気ではありませんが、遅発性難聴があることから、定期的な聴力検査と発達のフォローが重要です。

 治療や早期支援(補聴器・人工内耳・療育など)によって、子どもの聴こえや成長をしっかり支えていくことができます。

 大切なのは、必要以上に恐れるのではなく、正しい情報を知っておくことです。

まとめ

 先天性CMV感染は、身近でありふれたウイルスが原因となる先天感染症で、多くの赤ちゃんは無症状で生まれます。

 一方で、難聴が遅れて発症するケースもあるため、定期的な聴力検査や発達フォローがとても大切です。

 CMVによる難聴があった場合でも、早期支援によって子どもの成長をしっかりサポートすることができます。

 必要以上に恐れず、確かな知識をもって見守っていくことが大切です。

インスタで漫画を描かれているしおりさんの息子カムくんが先天性サイトメガロウイルス感染症だよね。

よかったら、しおりさんのインスタも見てみてね!

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